大家さんが外で編み物をしている。見ると、小さなカギ棒で丸く編み、最後に綿をつめてボタンを作っている。聞くと、彼女の友達Aのところに、日本の会社からカバンや服につけるボタンのオーダーがきたという。普段はAが自分で作っているが、その量が多くて、村人たちを雇って作らせることにしたそうだ。だから、裁縫が好きな大家さんも手伝ってあげることにしたという。
単純だけど、細かい作業で、だいたい1コ作るのに10分弱かかる。それでいくらもらえるかというと、3個で1バーツ(3円)! 1個1バーツでも安すぎるのに、3個で1バーツ! 大家さんは退職金、遺産、アパートの収入があり、趣味で作ってあげているからいいけど、村人の人権は?! 99個作っても100円たらずだ。いくら物価が安いタイといえども、100円ではラーメン1杯半しか食べられない。Aさんが利益をとっているというが、せめて2個1バーツとはいかないものだろうか。