カミナリとご先祖様

 この頃、スコールとともにカミナリが鳴る。窓ガラスが揺れんばかりの音だ。そして、必ずどこかに落ちた音がする。雨が止んで外に出ると、信号機が何箇所か作動しなくなっている。
 知り合いの子供にS君という小学3年生の少年がいる。彼は大のカミナリ嫌い。嫌いというより、すごい恐れている。あまりに恐れるので、カミナリがすごい日は親が学校に電話して、担任に側にいてもらうよう頼む。
 どうやらこの性質は、ひいおじいちゃん譲りだという。ひいおじいちゃんも大のカミナリ嫌い。カミナリがなる度に恐れていたという。
 そしてこのひいおじいちゃんが亡くなった。S君のおじいちゃんにあたる息子は、父親が他界し、狂わんばかりの精神状態。すごい落ち込んで、日々、父親が生まれ変わることを祈った。
 しばらくして、孫が生まれた。それがS君だ。S君がひいおじいちゃんの生まれ変わりだから、同じようにカミナリを怖がるという。
 子供だから怖がってもおかしくないよ、そう思うだろう。でも、違う。S君の腿にはアザがある。そう、ひいおじいちゃんと同じ位置に。
 タイではこういう話は珍しくない。

投稿を作成しました 1995

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