小なまずはお寺へ

大なまずはどこかへ消えてしまったけど、
小なまずは今日になってもバケツにいる。
まだ小さいし、食べる気もさらさらないので、逃がすことにした。

チェンマイ市を囲むお堀に流そうか、川に流そうかと思ったけど、
「なまず」と聞いて誰もが連想するのがウーモン寺。
このお寺の敷地内には大きな池があり、そこにうじゃうじゃとなまずがいるのだ。
ちょっとでもパンを投げると、ニョロニョロとひげを揺らしながら
大きな口を開けた巨大ななまずが池をうめつくす。
その姿を見るとショックでしばらくなまずを食べたくなるほどだ。

タイではよく厄払いのために、なまずや亀、すずめなどを屋台で買って、
池や空に放すことをする。
それらと一緒に厄を放ってしまおうというものだ。
だからなのか、池があるウーモン寺には亀やなまずがいっぱいいる。
そしてお寺の敷地内だから「釣り=殺生」が行われることはない。
だからなまずたちの成長はとどまることを知らず巨大になる一方なのだ。

その池に私もなまずを3匹持って行き、放した。
あの巨大なまずの大群に苛められないかと不安になりつつ、
途中で買った食パンを一緒にまいてきた。
このなまずたちも来年にはあの巨大なまずのように成長し、
口をパクパクしながら人からパンをもらっているのだろうか。
そうだとしたら時々見に行かないとな。

まあ、とにかくなまず母子4匹が手から離れてよかった、よかった。
アパートに帰り、友達になまずを放してきたというと
「いいことをしたね。徳を積んだね」って。
ますますタイ仏教が身近になってきた感じだ。

投稿を作成しました 1995

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