足の目、手の目に守られて

若草色のへび
「タイの屋台図鑑」を出版した時、プロフィール写真に大蛇を首に巻いているものを選んだ。
あまり自分の写真がないところ、友達のお父さんがたまたま撮ったその写真があったし、
ヘビも食べられるし、まあこれでいいか、そんな気持ちで載せた。
そしたら、その後、会う人会う人が
「ヘビ好きなんですか?」
と聞いてくる。
ヘビやトカゲ、爬虫類やカエルは好きではないけど嫌いでもない。
置物やブローチといったモチーフとしてなら好きなほうだ。

「怖くないの?」と聞かれたら怖いが、背筋がゾクゾクするほどでもない。
こちらが悪さをしなければ、向こうも(きっと)手を出さないから。
でも、ずっと前に友達と山に登った時、
草むらできれいな黄緑色のヘビを見つけた時はすごく驚いた。

滝の近くでお昼を食べた後、ミカンの皮をさてどうしようと友達と話した。
持って帰ってもいいが、土に返るものなので置いていってもいいだろうということになった。
だけど、外から見えると景観が悪くなるので、茂みの中に突っ込むことにした。

なるべく奥のほうに入れようと手を伸ばした時、
「あれ?」と思って手を止めた。
深緑や黄緑色をした草の中に、とびぬけてきれいな若草色が目に入ったからだ。
なんてきれいなんだろう、どんな草だろうとよく見ようと近づいてびっくり! 
なんとヘビだったのだ。
緑色の蛇、「グー(ヘビ)キヤオ(緑)」といえば確か毒蛇だったはず……。
ぎょっと思い、急いで手をひっこめた。
大きさでいうと、ウナギを丸めたぐらいなので小さいが、三角の頭をした、正に毒蛇だ。

そっとその場を去ったが、それにしても、手を伸ばした時によく噛まれなかったものだ。
突然手を近づけたのだから、攻撃してきてもおかしくない。
あんな山の中で噛まれたら、急な坂を登っている間に体に毒がまわってしまいそうだ。
気付いてよかった、よかった。

市内に戻ってからタイ人の友達にその話をすると、
「それは『ターティーン・タームー』だね」とすぐ言った。
どういう意味か尋ねると、「足(ティーン)の目(ター)、手(ムー)の目(ター)」だと。
北タイの考えらしいが、「本当の目」で見えないものを、
体にある目が周りを見ていて自分を守ってくれているそうだ。
手と足の指の関節に10個、その他くるぶしなどにもあるという。
だから私の場合も、「本当の目」で気付く前に、
指の目が察知して知らせてくれたんだよと言う。
なるほど、そうかもしれない。
手の目さん、ありがとう。

ちなみに夜爪を切ると、その目が見えなくなってしまうので
どこかへ行く前は爪を切ってはいけないとか。

投稿を作成しました 1993

足の目、手の目に守られて” に 2 件のコメント

  1. SECRET: 0
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    チェンマイでにしき蛇のショーを見た事があったが大きかったね。蛇はダメだ。

  2. SECRET: 0
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    あそこのは大きいですよね。
    肩にかけるとずしりと重いです。(笑)

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