停電の贈り物

「7日(金)9時から16時まで工事のため、停電します」
 そんな貼り紙がアパートのドアにあった。
 ラッキーと思う。もっとも、今は比較的、仕事が忙しくないからだけど。
 電気が使えないというのは不便だ。テレビは見られないし、ラジオも聴かれない。コンピューターも使えない。お湯も沸かせないし、ご飯も炊けない。冷蔵庫もぬるくなってくるし、ポンプが作動しないので、タンクの水がなくなれば水も出なくなる。
不便だ。だけど、電気があるから縛られている気にもなってくる。電気がなければ、コンピューターに向かう時間がなくなる。それだけでも、自分の時間がぐっと増える気がする。突然、自由になったようで嬉しくなる。
 夜、大雨が降って辺り一帯が停電するときもそうだ。電気がつかないので、すべてしていることを諦める。そんな人が1人、2人とアパートの1階に集まってきて、ロウソクの灯りのもと、おしゃべりをして過ごす。豊かだなと思う。
 こんな時間をたまに過ごせるのがチェンマイの良いところかも。

投稿を作成しました 1995

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