毎月1日と16日が近づくと、そわそわする人が出てくる。
1・16日の当選日を前に宝くじを買おうとする人が増えるのだ。
大通りや市場、お寺の境内には普段より多く宝くじ売りが並び、
売る方も買う方も真剣勝負。
だって一攫千金だって夢でないのだから。
私も何回か買ったことがあるけど、1度も当たらないのでもうやめた。
1組100B前後とラーメンが3、4杯食べられる値段だから
そのお金を食費にしたほうが賢い気がしたのだ。
ちょっと夢がないけどね。
私の友人のお父さんは毎回夢を追い求めている。
無職なので、娘から500B(約1500円)をもらっては宝くじにつぎ込み、
その度に彼女に嫌な顔をされている。
生活費に余裕がないのに無駄遣いと思うからだ。
だけど、父親からすれば、借金があるからこそ宝くじに賭けているのだ。
もっとも、この十数年、大金が当たった話は1度も聞かない。
でも、まあ買わなければ当たるチャンスはゼロだけど、
買えば0.0000001%でも可能性はあるし、希望と夢がある。
タイでは1874年に初めてヨーロッパ式の「ロッタリー」というものが行われたという。
イギリス人によって紹介され、ラーマ5世の誕生日をお祝いして開催されたそうだ。
その後も、第一次世界大戦や赤十字の資金集めなどで何度か行われるが、
政府の宝くじとして正式に始まったのは、1939年4月5日だ。
買い方は簡単。
自分の好きな数字を買うだけだ。
日本の宝くじは「連番」や「バラ」で買うが、タイのは自分で選ぶ。
ナンバーズに似ているのかもしれないが、
これはすでに印刷されたものの中から探し出す。
主に下2桁と3桁で選ぶが、
例えば、今年35歳になるので「35」、家の番号の「302」、バイクの番号「29」など。
あとは、王様の年齢、事故車のナンバープレートなど、
ニュースに出てきた数字も人気ある。
とにかく自分にピピッときた数字がそれなのだ。
ただ、宝くじ売りがその数字を持っているとは限らないので、
見つかるまでスタンドを渡り歩くことになる。
これが結構、宝探しをしているようで楽しい。
数字を予言する夢占いの本もある。
例えば、ヤモリだったら、「112」と「17」、毛が抜ける夢「91」「57」、
象と水遊び「59」「69」「259」「269」などなど。
また、「顔が2つの猫が生まれた」、「霊木タキアンが田んぼから出てきた」
なんていうニュースが時々あるが、
そうすると村人たちがお線香を持ってそこへ行き、
見えない力にお願いして数字を聞くなんてこともある。
お葬式でも、亡くなった人に数字を教えてと頼むこともあるとか。
確かに、お葬式でよく宝くじ売りを見かけるなあ。
さて、当たればいくら入るのか?!
6桁の数字が全部揃えば200万バーツ(約600万円)。
前後賞で5万バーツ、下2桁で1000バーツなど。
宝くじはだいたい2枚1組になっているので当たれば賞金は2倍で、
一夜で大金持ちになるなんてことも夢でない。
もうすぐ当選発表。
1枚買ってみては?
*チェンマイ日本語情報誌「ちゃ~お」に執筆した記事に手を加えてあります。