ランナー語に挑戦

Lanna alphabet
「ランナー語講座を開講します」
そんな言葉につられ、軽い気持ちでどんなものかと会場をのぞいてみた。

チェンマイでは北部弁を話す。
標準語とどれだけ違うかというと、
日本語の標準語と関西弁のように近くなく、
青森や沖縄ぐらい違うだろうか。(たぶん)
例えば、タイ語の標準語で「とてもおいしい」は「アローイ・マーク」だけど、
北部弁だと「ラム・テーテー」。
「何?」の「アライ?」は「アヤン(アニャン)?」だし、
「気にしない」の「マイペンライ」は「ボペンニャン」になる。
文章になるともっと違いが出てくる。
最初来た頃はさっぱり理解できなかったけど、
周りの友達が話すので、
今では20%ぐらいは想像できるようになった。

だからきちんと習えばもっと理解できて面白くなるだろう、
そう思ったので、まずは様子をみに教室へ行くことにしたのだ。

でも、1時間授業の最初の10分で
「しまった! どうやってやめよう」
と頭を巡らせた。
なんと会話ではなく、「ランナー文字」だったのだ。
ちなみにランナー文字は、
その昔この辺一帯にランナー王国があった時に使われていた文字だ。
残っているとしたら、文献や経典が多く
タイ語で読んでも意味不明なものばかり。
北部弁もよくわからないうえにランナー文字なんて……。

Lanna alphabet
ーと、その後の50分は「どうやってやめよう」と考えるばかり。
「はい、最初の文字を5つ書いてみましょう」
とりあえず手を動かす。
文字はくるくるしていて絵のようでかわいらしい。
ただ真似するだけなら楽しいし、
「文字」と識別せずに「絵」としてとらえるなら簡単だ。

「では、この文字を発音してみましょう。『』『』『』『』『(ン)ガ』」
『ガ』が2個、『カ』が2個ある。
私「先生、最初の『ガ』と3番目の『ガ』は同じ音ですか?」
先生「違います。『ガ』と『ガ』です」
私「『ガ』と『ガ』ですか?」
先生「「違います。『ガ』と『ガ』です」
私「……」

私の耳では聞き分けられない!
タイ語でも未だにわからない音というのがあるのにさらにランナー語!
それに、タイ語は5声だけど、ランナー語は6声だという。

「はい、では次の5つ。『ジャ』『チャ』『ジャ』『チャ』『ニャ』」
私「先生、2番目の『ジャ』と4番目の『ジャ』の違いは何ですか?」
先生「『ジャ』と『ジャ』です」
私「『ジャ』と『ジャ』ですか?」
先生「いいえ、『ジャ』と『ジャ』です」
私「……」

ふう。
年配の人が「もう私の頭では覚えられなくて。あなたはまだ若いからいいわね」
なんて一昔前によく言われたけど、
私もその年齢に達してしまったのだろうか。
文字も発音もまったく頭に入ってこない。
もうやめた、やめた。
次の授業からは姿を消してしまおう。

ーでもなんか悔しい。
あと1回だけ出てみるか。

投稿を作成しました 1993

ランナー語に挑戦” に 2 件のコメント

  1. SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    マリさん、タイ語の読み書きは出来るんですよね。
    タイ語を話すだけでなくて読み書きが出来るだけでも一般の日本人から考えるとすごいなぁ~と感心してしまいます。
    マリさんだったら、きっと習得出来ますよ(^o^)/頑張って下さい!
    ところで、どんな人が習いにきてるんですか?

  2. SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    まあ簡単なことだったら読み書きできますが、ランナー語は実用性がないですからねー。
    習った後、町に出れば字が読める!というのだったら面白いのですが。
    でも、文字自体はかわいいのでもう少しがんばってみますよ~!
    来ている人は、大学院生や会社員、先生、公務員、お坊さんなどで、自分たちの文化に興味を持っている人たちですね。もちろん、北部弁を話す北タイの人たちばかりです。

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