美術学部

 友達がチェンマイ大学の美術学部でレクチャーをするから聞きに行った。一歩足を踏み入れると、大学生の制服姿は見られず、顔からはみ出るメガネをかけた人やドレッドヘアーの人、ヤクルトのカバンを持っている学生など、個性的な人ばかり。ちょっと懐かしくなった。
 もう10年以上も前だけど、私もそんな中にいた。専攻は写真だったけど、絵画や陶芸、デザインなどの授業も一通り取っていた。ビジネスや経済などを専攻している学生はいつもきれいな格好をしていたけど、アートを専攻している私たちはいつも写真の薬品や油絵の具を服につけ、独特の匂いを漂わせていた。何時間も暗室や教室にこもって作業をし、材料費に無駄(?)なお金をかけ、不健康そうだったし、常に節約を強いられていた。それでも、仲間と美術館やギャラリーを回ったり、古い映画を観に行ったり、アイデアを交換したり……、とても楽しかったし、熱かった。
 今では、アートと全く縁がなくなってしまい、時間があると、自分磨きをする前に、だら?っと横になってしまう。いかんな、いかん。もう少しあの頃の輝きを取り戻そう。

投稿を作成しました 1993

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