チェンライ県で雨が続いているところ、フィリピンの東で猛烈台風「ヤギ」が発生。
ベトナムで死者・行方不明者を300人以上出したその台風が熱帯低気圧に変わり、タイ北部を通過。
チェンマイ市内でも3日3晩雨が降っていたが、チェンライ県でついに洪水。メーサーイ郡では今年に入って8回目だという。
水が徐々に南下するので、洪水の地域がどんどん広がっていき、友達の村も水につかったという。

食料品は政府の支援や寄付で足りているだろうけど、念のため必要な物を聞いて、米と缶詰を買い、掃除がきっと大変だろうからと手伝いに行くことにした。
チェンマイの最北部、ミャンマーに近いメーアイ郡のワンパイ村だ。
途中、知人のレストランに寄ってみるとこの光景。
衝撃的!
池の向こうが全部流されて川になっている。
みかんの木が1000本流されてしまったとか…。

ワンパイ村では、川沿いの家が18軒浸水。ひどい家だと天井まで水が来たとか。
アナウンスはあったらしく、運べるものは運びだした人もいたけど、まさかここまで水は来ないだろう…と思っていた人も。
想像していた水位をはるかに超えてしまったとか。 それも夜中3時頃!

近くの橋が落ち、この辺一帯は湖のようになってしまい、舟でしか移動できなかったとか。
右のマンゴーの木も上のほうまで水が来て、藁の山もどこからか流されてきたそうだ。

この村の人はほとんどがタイルー族だが、伝統の機織り機も壊れてしまった。

台所の流しは泥で埋まっていた。
そこから木臼や食器を掘り出す。

必要な服と捨てる服を選別。
家の外にも服が流されているのでそれも拾う。
どれも泥まみれ。
そして重いのなんのって!
大変な状況だけど、
「これはどこからか流れてきたものだね。得したね!」
と冗談を言いながら作業していく。

どろどろの服やタオル、布団をピックアップに積んで、池に持っていく。

山盛りの服と布団。
被災した夫婦。

ひたすらひたすら泥を落としていく。
カバンが出てくると、
「おっ、中にお金がわんさか入っているよ!」
と泥を見せながら冗談を飛ばす。
茶色だった泥が落ちると、中から色彩豊かな民族衣装が出てくる。
気持ちいいし、嬉しい!
池で1時間以上洗い、今後電気が復旧したら洗濯機で何度か洗い直す予定。

塀という塀にどんどんかけていく。
脱水機も使えないので、自然乾燥。
ありがたいことに太陽が暑いぐらいに照っているので、どんどん乾いていく。
「自分の家の中身を全部さらけ出して、もう何も秘密がないね」
とまた冗談を言ってみんなで笑う。
深刻なんだけど、このゆったり感がいい。

どろどろの食器もみんなで手分けして洗う。
村の人がどんどん集まって来て手伝ってくれる。

この通りきれい!

少しずつ生活が元に戻って来ているけど、2週間、3週間と時間が経てば必要な物も変わってくる。
長期的に何ができるか村の人と今相談中。
友人たちからいただいた寄付はそちらに使わせていただきたいと思います。