「あ?、なんで今日それはいているのよ??」
「困るわ」
私がキナリ色のズボンをはいてアパートの1階へ降りていくと、友達とお母さんが口々に言う。なんか変な格好をしているのかと思って私がきょとんとしていると、
「それ、落ちないのよねえ」
「アイロンもかけにくいし」
なんのことはない。洗濯屋をしている2人は、雨季の今、バイクではねた泥水がズボンにつくのを恐れているのだ。キナリ色だから目立つし、オイルなどが混ざった道路の水は洗っても落ちないらしい。だから雨が降りそうな日に、はいて欲しくないと。それに、ポケットがいっぱいあるので、アイロンがかけにくいので、そうしょっちゅう洗いたくないと。
服の心配かい。雨が降っていないのに、素直に裾を膝まで折ってバイクに乗ったけど。