友達の実家は果樹園をしている。数年前まではラムヤイを育てていたけど、価格が暴落し、わりにあわないと怒ったお父さんが全部切って薪として売ってしまった。肥料をやり、雑草をとり、水をやり、農薬をまき……、毎日毎日クタクタになるまで働き、お金もつぎ込んだのに赤字になる。もうやってられるかぁー!ということだ。
その後、数年間は放っておいたけど、苗を無料でもらえる制度があるとかで、今度はチークとパパイヤ、バナナの木をもらってきて植えることにした。チークは数十年後に孫の生活の足しになるように、パパイヤとバナナはすぐ売れるようにということだ。
それが最近、実をつけるようになってきた。パパイヤは不作らしいが、バナナはすくすくと育っている。それを娘のいるアパートの前で売り始めた。どうやって売るのかと見ていると、田舎から竹を切ってきて、2センチほどに割いて、穴を開け、紐で縛って、折りたたみ式の台をあっという間に作ってしまった。また、日よけ、雨よけのテントまでつけた。完璧だ。
こんなタイ人を見るといつも感動する。生命力を感じる。タイ人だけではないが、何でも自分で作れてしまう人というのは尊敬する。
肝心のバナナは、ひと房5バーツと8バーツで売っている。ひと房に10本はバナナがついているだろうか。それがなんとひと房25円前後だ。市場よりずっと安いから3房、4房と買っていく人がいるが、ここまで安いと値切ってはいけないと思う。でないと、作り手がいなくなってしまう。