取材先で担当者を待っていると、女性が3人現れた。その中の1人が私を見ると、「マリー? 覚えている、私のこと?」と日本語で話しかけてきた。目の前にいる、目がパッチリした髪の長い女性に見覚えはない。日本語を話す女性の知り合い……、誰だろう?
「ローンだよ、ローン。ホテルで一緒だった」
ああ、そうだ、ローンちゃんだ。ホテルのフロントで一緒に働いていた。でも、あの時、彼女は妊娠中。髪も短く、ぽっちゃりしていて、化粧もしていなかった。目の前の美人さんとはちょっと違っていた。
結局、世間話に華が咲き、取材どころではなかった。でも、彼女が働いていると分かったので、何度でも取材のやり直しがきくから安心だったりして……。
それにしても狭いチェンマイ。どこかしらで知り合いに出会うから面白い。