国民の権利

友達のお父さんは無事、輸血をしてもらい、
だいぶ顔色が良くなり、熱も下がったそうだ。
ご飯も食べてよくなった。
後は検査結果を待つのみ。

友達はまだ昨日の怒りがさめきらず、
私の顔を見るとまた北部弁でまくしたてる。
彼女の洗濯屋には医者も看護士も来るので、
自分がしたことが正しかったか聞いている。
「医者も看護婦さんも私がしたことはもっともだと言っとるよ。
あの看護婦の態度はあかん! 血圧や体温を測っても、
こっちが聞くまで教えてくれへんし、聞いても無視したでー!
田舎モンだと思ってなめてるんちゃう?!」
話しているうちにまた怒りがこみ上げてきている。
「人脈を使う人もおるけど、私は国民の権利を使うでー!!」

彼女はお見舞いを遠慮していたものの、
やっぱり気になり、夕方、甥っ子を連れて行ってきた。
お父さんの元気そうな様子を見て安心していたけど、
帰ってきて私の顔を見るなり、
「昨日の看護婦は私の顔を見ようともせーへん。
他の看護士たちも。まだまだ言いたいことぎょーさんあったけど、
お父さんがかわいそうやったからこっちも知らん顔しとったわー」
と毒づいていた。
「治療を受けるのは国民の権利やでー」
もっともだ。

梨
日本語訳の方言はいい加減です。 

投稿を作成しました 1995

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