お気に入りの屋台(だった)

毎日まいにち昼と夜の献立で頭が痛くなる。
だからと言って自分で作るわけでなく、どこで食べようか、
どこの市場で買って帰ろうかと悩むのだ。
そんな時はお惣菜屋台に行って、
20種類ほどあるカレーや炒め物の中から選ぶことにしている。

私のアパートの近くに1軒おいしい屋台がある。
安くて大盛りで種類も豊富。
バンコクの人が作っているので、どこかあか抜けた味で、色彩もきれいだ。
そうは知りつつなぜか足が遠のく。
その屋台で朝4時から料理を3週間手伝ったこともあるから
顔馴染みの店なんだけど足が鈍る。
それは裏方でネズミが走り回っているのや
ゴキブリがお鍋を歩き回っているのを見たからではない。
逆にゴキブリのゴの字も見ないぐらい清潔で驚いたぐらいだ。

だけどそれにも匹敵する、山のような味の素を見てしまったからだ。
タイ料理で化学調味料が入っていないものはほとんどないと思う。
「味の素を入れていません」なんて看板を出している店だって
「クノール」や「マギー」といったスープの素を使っている。
まあ日本だって「本だし」を使っているし、あちらこちらに入っているけど、
その屋台の量は半端ではなかった。

大鍋で作る時、隠し味なんてもんじゃなく、
お玉でドサッドサッと1杯、2杯と入れるのだ。
どの料理にもそれだけ入れていくから、味の素の袋がどんどん開けられていく。
その量を見てからはなんか足が遠のいてしまった。
まあタイで味の素を怖がっていたら飢えてしまうから、知らぬが仏でいたらいいんだけど。
でも見てしまうとね。

投稿を作成しました 1993

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