バンコクの人たちと北部料理を食べに行った。
市場で見ないような料理の中から変わりものを頼んだ。
まずはカエルのトムヤム。
北部のトムヤムは黒っぽい色をしていて、乾燥香辛料がきいている。
追加でヘビのトムヤムも注文。
切り裂かれたヘビの肉がくるくる丸まって入っている。
黒っぽいウロコが白身にひっついている。
クセはなく、鶏肉のような味で、ぷりぷりと弾力がある。
ヘビ皮を見なければなかなかいける味。
トカゲとイノシシはそれぞれレッドカレーペーストで炒めてある。
イノシシは豚肉のようだけど、ちょっと硬い。
トカゲは黒くて分厚い、鶏足のようなぼこぼこした皮がついている。
ウロコのようなグロテスクなものを目にしてから口に入れると、
なかなか喉に入らず、ぷにゅぷにゅ感が増してきて、
トカゲの背中をかじっている気になる。
想像しなければ、淡白で全然クセのない味。
魚はまな板の上で細かくミンチし、香辛料で濃い目に味付けしてある。
生血を混ぜているので真っ赤だ。
それを生で食べる。
さながら北部風刺身だ。
ネギトロのような食感。
魚臭さは全然ないけど、淡水魚だから回虫君の心配はないのかとちょっと不安になる。
そうそう、つまみは竹の中に住む白イモ虫の揚げたもの。
塩味がきいていて噛むとサクサク、良質たんぱく質の脂肪分が口の中に広がる。
お皿山盛りのイモ虫に手を出すのは勇気がいるけど、
目が合わなければおいしく食べられる。
胃の中でカエルがピョンピョン跳ね、ヘビやトカゲ、イモ虫がはい、
イノシシが走り、魚が泳ぎまわっている気分。
まるで水木しげるや梅図かずおの世界。すごい初夢を見そうだぞ。
《食べたい人のための北部オススメ・メニュー》
*トムヤム・ゴッブ(カエル・トムヤム)
*トムヤム・ングーシン(ヘビ・トムヤム)
*パッペッ・ムーパー(イノシシ炒め)
*パッペッ・レーン(トカゲ炒め)
*ラープ・プラー・ディップ(ミンチ生魚のハーブ和え)
*ロートドゥアン(イモ虫揚げ)