ラープ

ラープ  アパートの駐車場の工事が始まった。手伝いに来た人にふるまうためと、友達のお母さんがラープを作った。ラープというのは、挽き肉料理。東北にもあるけど、北部のものはスパイスをふんだんに使っている。生肉を塊で買ってきて、それを包丁で細かく細かくする。それに生血を加え、スパイスやハーブを混ぜて食べる。そう、生で。今日は水牛と牛を混ぜたものだけど、よく豚肉で作る。
 以前はお祝い事やもてなし料理として作っていたけど、現在では食堂で気軽に口にできる。お酒のおつまみとして男性に根強い人気がある。しかし、生。ましてや豚肉なんて・・・・・・。話のタネに食べてみたことがある。偏見さえなければ、意外や意外、これが美味しい。スパイスがきいたネギトロのようだ。十種類以上のスパイスがお肉の旨みを存分に引き出していて、後を引く味。でも生。やはり回虫が気になる。
 もっとも、それを炒めて食べることもでき、そちらは都会っ子でも女性でも喜んで食べる。もち米と食べると、最高の相性。
 だけど、ラープを作る過程というのはちょっと恐ろしい。まな板の上で包丁をトントントントントンと動かし、血を混ぜては細かくする。血が床に飛び散り、ホラー映画より生々しい。



投稿を作成しました 1995

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


関連する投稿

検索語を上に入力し、 Enter キーを押して検索します。キャンセルするには ESC を押してください。

トップに戻る