ホテルの厨房から強烈な匂いがフロントに漂ってきた。クサヤを炒めているような匂い。近くのイスに座っているお客さんは何事かと顔をしかめていた。だけど中華系の人だから、きっと理解できるだろうと憶測する。
タイ人スタッフも、うへ?と言いつつ、「明日の社食は塩魚だね!」と喜んでいる。私も内心やった?!と手を叩く。
最初にタイに来た時は私もこの匂いが苦手だった。屋台でこの匂いがすると食欲が失せたもんだ。それが今では屋台に行く度にこれを注文している。「カナー・プラーケム」という料理で、塩魚を青菜と炒めてある。とてもしょっぱく臭いけど、クセになる味だ。特に海がないチェンマイにいると肉ばかり食べてしまうから、この料理は欠かせないのだ。