木を見るとミノムシがいた。
真っ直ぐの小枝をいくつも繋ぎ合わせてきれいにミノを作っている。
小さい頃ミノムシを捕まえてきて、ミノを破った思い出がよみがえってきた。
ミノを引っ張っても引っ張っても破けなかった。
それでもなんとか破ってミノムシを出し、
いろいろな色の毛糸を短く切って一緒に箱に入れた。
そうすれば、ミノムシが毛糸で新しくミノを作ると聞いたからだ。
虹色のミノはさぞかしきれいだし、暖かいだろうなと期待して。
でも、何日経ってもミノムシはそのままだった。
だから私の母が毛糸を編んでミノを作ってやった気がする。
懐かしくなって、今日ずーとミノムシを観察していた。
すると、ミノムシのお尻が時々下から出ては、糞をポトッと落としてミノに戻っていく。
そして頭が上に出てきては葉をムシャムシャ食べる。
そして食べ終わると、今顔を出した穴を口で器用に引っ付けていた。
こんなに自由に出入りができるなんて驚きだ。
だって、ずーとミノムシってサナギのようにじっとミノの中にいると思っていたから。
あんなに自由自在に上や下から出ているのなら、
毛糸のミノなんて使い勝手が悪かっただろう。
それにしてもミノムシって何になるのだろう。蛾?