タイを出てから何やかんやいって2ヶ月が過ぎてしまった。この頃ふと頭を過ぎるのが、私のアパートのこと。私がいない間に何か住みついていないだろうかって。
アパートの部屋は借りっぱなしにしている。1ヶ月で帰るかもしれなかったからだ。出る時はちゃんと本棚に新聞紙をかぶせ、ベッドにはカバーをかけ、ポットや食器、洗面具などは袋に入れておいた。床は足跡がつくくらい汚くなるから、これを怠ると大変なことになる。
こうやって少しでも掃除をしやすくしておけば、長旅でアパートについてから、クタクタの体に鞭を打ちながらも雑巾がけですむ。
掃除は面倒だけど、まあそう苦にならない。何が怖いかというと、ドアを開ける瞬間。むわっと埃っぽい空気の中に何か住みついていないかということ。
蟻はもちろんのこと、クモは天井のあちこちに巣を作っている。ヤモリはいつもいるから気にしないけど、トゥッケという子供の腕くらいあるトカゲがいたら気絶しそうになる。紫と灰色を合わせたような肌にオレンジ色の斑点がある。以前、ベランダの壁の穴に住んでいて、よく“トゥッケー、トゥッケー”と鳴き、私を震え上がらせていた。
まず部屋を見回し、問題なければベランダに出る。ベランダの横にシャワー室があるので、そのドアを開ける。これまた勇気がいる。外に面した窓から何でも入り放題だからだ。前回帰った時は、鍵穴を蜂が巣がわりに使っていた。卵を産んで、餌の芋虫を運びいれ始めると手がつけられなくなるので、友達に殺虫剤をかけてもらった。(以前、部屋に巣を作った蜂は、大きな芋虫を運んでいた。)
こんなことを書いたらどんな家に住んでいるのかと思われるけど、これってタイだと普通だと思う(?!)。私の部屋にゴキブリが出ないのがせめてもの救いだけど。