この時期、友達の村では家族・親戚が集まって、マット・ムーの儀式をするという。1年に1度のこの習慣、本当は彼女の実家でするはずだったけど、ちょっと事情があり、アパートの部屋ですることになった。
人間には32個の魂が宿っていて、日々のちょっとした事故や怪我などでその魂が1個ずつ体から離れていっていると信じられている。この儀式は、その魂たちを体に呼び戻すため行うわけだ。
お盆の上に、ニワトリが2羽、タバコ、もち米、ジャスミンなどをのせ、魂にお供えする。家族・親戚が皆でそのお盆をつかみ、家の長が呪文・お経を唱え、一人ずつ両手首に聖糸を巻いてくれる。
それが終わると、ニワトリの足、指、手羽、胸、モモ、レバー、心臓など体のそれぞれの部分を少しずつちぎり、お皿に分け、お盆ごと枕元に3日か7日置いて魂に供える。
残った鶏は皆でムシャムシャ美味しく食べたのだ。