シルクやシルバー、セラドン焼き、紙、傘作りなど
チェンマイの工芸が盛んなサンカンペーン郡にひと際目立つ建物ができた。
小さな鏡を一面に貼った壁は太陽に照らされるとキラキラと光っている。
これが7月3日にオープンした、MAIIAM(マイイアム)現代美術館だ。
オーナーはフランス人のジョン・ミシェル・バードレー氏と
ラーマ5世に嫁いだイアム王女を祖先に持つ妻ブンナークさん(故人)、
息子のエリック氏。
美術館の名前の「マイイアム」は「チェンマイ」の「マイ」、
「イアム王女」からとっていて、2つ合わせると、
「今までにない新しいもの」という意味の「マイイアム」になる。
オーナーが長年にわたって収集したタイ人アーティストの作品を
他の人と共有したいと美術館を建てることにした。
1階はバードレー家&ブンナーク家の部屋と企画展、2階は常設展になっている。
第一弾の企画展は美術家・映像作家のアピチャートポン・ウィーラセータクン氏だ。
カンヌ国際映画祭でタイ映画史上初パルム・ドールを受賞した若手の監督である
アピチャートポンの直筆ノートやショートフィルムなどを見ることができる。
(9月10日で終わってしまったが…)
この美術館の面白いところは、
作品との会話を楽しんでほしいというミシェル氏の思いがあり、
館内のどこででも撮影できること。
タイ人はまだあまり美術に触れる機会が少ないが、
「撮影」などどんなきっかけでもいいから、足を運んで、
そこから美術に興味をもってもらえたらとジョン・ミシェル氏は言う。
アートは人生を豊かにするものだから、来て楽しんでほしいと。
アーティストや美術を勉強している学生だけでなく、
一般の人にもアートに触れてもらいたいという強い思いがある。
周りを見ると、気に入った絵やオブジェの前でポーズをとりながら
自撮りをする人があちこちで楽しそうにしている。
美術館はレストラン「ガンペーン・ケーオ」も併設されていて、
鑑賞後の休憩だけでなく、ふらりとお茶や食事に訪れることもできる。
オーガニック野菜や地鶏などを使った本格的なタイ料理を楽しめる。
シェフの腕には定評があり、昔ながらの珍しい料理も食べられる。
また、レストランの横にはミュージアム・ショップがあるので、
MAIIAMのオリジナル・グッズを買いたい人はのぞいてみよう。
今後はタイ国内外のアーティストを招く予定で、
9月24日からはチェンマイ在住のカミン・ラーチャイプラサート氏
カミン・ラーチャイプラサート氏の企画展
“The Timeless Present Moment”が開催される。
カミン氏は仏教の思想を反映した作品を多く制作していて、
石川県の金沢21世紀美術館などでも展示をしたことがあるアーティストだ。
人生を豊かにするアート、
チェンマイのアートシーンを変えていくMAIIAMを訪れてみてはいかがだろうか。
MAIIAM Contemporary Art Museum
営業時間 10:00-18:00 (火曜休み。レストラン~21:00)
入館料 大人150B、学生100B、12歳以下無料
サイト www.maiiam.com