祈り

ハスの花 「妹が4月23日に亡くなった」
 そんなメールがつい最近Pさんから入った。2年前にもう1人の妹、リーリー(61)が病気で亡くなったとき、すでにミーミーも癌と闘っていた。だからこの訃報がいつか入るのは知っていた。それにしても早すぎる。48歳という若さだ。
 シンガポール人の彼女は日本語のガイドをしていた。もう15年以上前だろうか。私が学生の頃、ふらっと立ち寄ったシンガポールでリーリーに道を聞いたのは。それをきっかけに手紙のやりとりをするようになり、その2年後にまたシンガポールに行った時は、ケガをした私を3週間ほど泊めてくれた。お兄さん、ご両親、リーリー、ミーミーの5人家族はとても温かく、仲の良い家族だった。
 私はほとんどリーリーにお世話になりっぱなしだったが、ミーミーは私のビザが切れることを心配して、日本人観光客を連れてマレーシアに行くとき、私も一緒に連れて行ってくれた。
 その後1回、香港で、そして1回は私の実家で会った。その後は1年に1回の年賀状を送るだけだった。
 今、Pさんは87歳のお母さんと2人きり。傷心している。どうしていいか分からなくなっている。結婚は誰もしていないから甥っ子も姪っ子も子供もいない。1人きりになってしまう恐ろしさ。いつでも残されるもののほうが辛い。Pさんとはあまり親しくなかったけど、「マリも体には十分きをつけるように。みくびってはダメだよ。僕はこれから社会のために、貢献していこうと思う」と私に言う。
 ミーミーのご冥福を祈ります。

投稿を作成しました 1996

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