扇風機バスに乗って

バス以前は旅行するというと、迷わず「扇風機バス」(普通車)に乗っていた。
時間の都合で仕方がなく「冷房車」に乗ることはあっても、「VIPバス」なんて全く頭になかった。
扇風機バスで汗ダクダク、髪の毛バリバリ、お尻ガチガチになりながらも、あの南国の風に包まれ、所々でいろんな人が乗り降りするのを見るのが好きだった。
それが近頃は「VIPバス」ばかり。
あの45度に倒れる、フカフカのシートの心地良さを知ってからというもの、VIPばかり乗っている。
それだけ懐具合が良くなったといいたいところだけど、どちらかというと歳だろうなあ。
苦痛より、ちょっとお金を足して快適さを求めてしまう。
もちろんその分、快適な旅行ができるけど、もち米売りも来ないし、鍬を持ったおじちゃんも乗ってこない。
「あち?っ」ということもなく、寒いぐらいだ。
 
今回は久々に成り行き上、扇風機バスに5時間ゆられた。
なんやかんや言って、爆睡してしまってあまり苦痛にならなかったし、やっぱり肌で感じる生活感が心地良かった。
(写真:運転席にはジャスミンの花輪、僧の写真、みかんのお供え、仏像、息子が出家した写真と思えるものなどなどが飾られてあった)


投稿を作成しました 1996

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