友達の部屋でテレビを見ようとリモコンを探していると、
乱雑に置かれている書類や手紙の中から何かが現れた。
黒くて長くて、ふさふさしているもの。
な、なんだ?
もしかして……。
背筋が寒くなる。
引っ張り出してみる。
心臓がドキドキ鳴っているのがわかる。
「リスの尻尾だよ」
友達が言うので思わず放り投げてしまう。
だってなんか生々しいから。
何も加工されていなくて、
いかにもついさっき捕ってきました!という感じだから。
「な、何にするの?」
「一般的にはキーホルダーかな」
「で、で、体の部分はどうしたの?」
「村の人が食べたと思うよ」
「ふ、ふーん。おいしいのかな」
「臭くておいしいもんでもないよ」
「へえー」
平気なふりをする。
私が怖がると、面白がって尻尾で突かれそうな気がしたから。
山で仕事をしているお母さんがお土産に持ってきたという。
尻尾の付け根に血や肉がついていたらどうしようと思ったけど、
きれいになっていた。
それにしても長い。
友達によるとこれは短いほうで、もっと長いのもいるそうだ。
どんな顔をしたリスなのだろうか。
いつか見てみたい。
ー生きたままで。