チェンマイにもホルスタインがいる!

Holstein in Thailand
「酪農」というと高原の涼しいイメージがあるけど、
実はこの暑いタイでも行われている。
でも、タイの牛は痩せていてお乳なんて出ない気がするけど……。

タイで乳製品を口にするようになったのはそんな昔のことではない。
1960年にプミポン国王とシリキット王妃がデンマークを訪れた時に酪農を見て感心され、
その後、デンマーク政府とデンマークの酪農協会が
200頭を収容できる牛舎を提供することになり、
サラブリー県のムワックレック郡にThai-Danish Dairy Farm(TDDF)を設立。
1962年にプミポン国王とデンマーク国王フレゼリク9世がファームの開会式を
執り行ったのがスタートだ。

同じ年の春に80頭の赤い牛がデンマークからタイに輸送されるが、すぐに問題が発生。
デンマークの牛が新しい環境に順応できず、病気になったり、
虫に悩まされたりし、多くが死んでしまったのだ。
そのため、地元の牛とデンマークの牛を交配させることにする。
その結果、タイの環境に適した、十分な牛乳を供給できる新しい品種が誕生したのだ。
赤い牛のロゴはそういう理由だったのだ。

cow shed
だいぶ前だけど、お邪魔したのは、
チェンマイとランプーン県境にあるティ郡の農場。
この辺りは、このような牛舎があちこちにある。
暑いのと蛇にかまれる危険性があるのででほとんど牛舎の中で過ごすという。
あまりに暑いと扇風機も登場するとか。

milking
乳搾りは朝5時と夕方4時の2回。
まず、牛の体を洗ってきれいにし、お乳を消毒し、マッサージをする。
その後、搾乳機(ミルカー)で絞っていく。
1頭につき朝15キロ、夕方は10キロ生乳がとれる。
体は痩せていてもお乳は立派。
太っている牛より、骨ばっている牛のほうがお乳が出るとか。

私も体験で絞ってみた。
親指と人差し指で付け根を挟んで、残りの3本の指を動かす。
うまくいくとビューッと勢いよく出るけど、
ちょっとずれるとまったく出ない。
ハイジの気分で楽しい!

strain milk
集めた生乳は漉しながらミルクタンクへ入れていく。
これは奥さんの仕事。
まだ生暖かい。
実はこのご夫婦、体力的にきつくなり、一旦この仕事を辞めたのだけど、
娘の説得でまた開始したという。
彼女は小さいころから牛を見て育ったので愛着があるし、
酪農は安定した収入源にもなるのだ。
なによりも、酪農のおかげで大学まで出られたという気持ちもある。

carrying milk
各家で集めたものは農協のようなところへ運んでいく。
その時間になるとあちこちからタンクを持った人が集まってくる。
1缶40キロ入る。

carrying milk
山間の村でミルクタンクを運ぶ姿は、ちょっとスイスっぽいけど、
バイクにサンダルなのでやっぱりここはタイ。

inspection
持ち運ばれた牛乳はきちんと検査をしてサンプルを取っておく。
その後、オーコーソーへ運ばれ、
また検査され、製品になっていく。
今度はチーズ作りのお話をしますね。

投稿を作成しました 1995

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