蚊が多くなってきた。私の部屋にはそういないけど、それでも1、2匹時々入ってきて、睡眠を邪魔する。そんなとき役に立つのがこの蚊とりラケット。スイッチを押すと、網目の部分に電気が走り、蚊を電気ショックにしてしまうのだ。手で叩くより、面積が広いので、簡単にやっつけられる。この行為はタイでは「殺生・罪」とみなされるので、ちょっと胸が痛むが、デング熱にかかるよりはいい。
友達がいる部屋は1階。廊下にダンボールがおいてあったり、水槽があったりするので、蚊の数は半端でない。暗闇でラケットを振るだけで、バチバチバチッと爆竹のような大きな音がし、その度にピカッと光り、焦げ臭いに匂いが漂う。特に血を吸った後の蚊は水分をたっぷり含んでいるので、火花は一段と大きい。
夜になると、友達のお母さんが喜々としてラケットを振り回す。バチバチバチッと凄まじい音がする。何十匹もラケットに当たった音だ。ちょっと残酷な気もしてくる。蚊を研究しているおじさんの言葉を思い出した。「蚊は人間と違って欲はない。血を吸うのも、歓楽ではなく、生きるため。ほんの少し、血を分け与えるぐらいいいじゃない?」って。
ラケット 1本99バーツ(約300円)。