シンガポールの友達

昨晩、悲しいメールが届いた。
シンガポールにいる友達のお兄さんからだ。
私のクリスマスカードが届いたらしい。
そこには、友達が肺がんで7月に亡くなったと書いてあった。
61歳という若さだ。
母親の歳とそう変わらないけど、友達のような感じだった。

最初に会ったのは、私が20歳の時。
タイを訪れた後に、シンガポールに1週間だけ寄った。
私があるお寺を探していた時、
たまたま道を聞いたのが彼女だ。
小柄なご両親と歩いていて、
「そのお寺より、今私たちが行くお寺のほうが面白いよ」
ということで、連れて行ってもらった。

そして3年後に私が東南アジアを旅行したとき、
シンガポールで再会した。
今度は彼女の家に泊めてもらった。
スマトラ島で化膿した足が膨れ上がり、歩けなくなった私を、
お兄さんの知り合いのお医者さんへ連れて行ってくれた。
小柄なお父さんが毎晩ごはんを作ってくれ、  
笑顔が素敵なお母さんが「食べなさい、たくさん食べなさい」
とジェスチャーで何かと気にかけてくれた。
足が治らず、ビザが切れそうになった時は、
ガイドの妹がマレーシア行きのツアーに紛れ込ませてくれた。

3度目に会ったのは、私の実家だ。
友達と妹が遊びに来てくれた。
その後は、年に1回のクリスマスカードを送るだけだったけど、
タイにいるからいつかは遊びに行くつもりでいた。
それなのに、お父さんは95年に、
そして友達は7月に亡くなってしまった。
妹さんは癌で病院通いだという。

亡くなった友達と家族の冥福を祈りにお寺へ行ってこよう。

投稿を作成しました 1996

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


関連する投稿

検索語を上に入力し、 Enter キーを押して検索します。キャンセルするには ESC を押してください。

トップに戻る