うんちの紙

糞で遊ぶ小象
紙は何からできている?
日本ならコウゾ、ミツマタ、チェンマイだったらサー(カジノキ)が有名だ。
でも答えは、「象の糞」。
糞を原料にした紙、”Dung Paper”というものがある。
北タイの象キャンプで売っているので、見たことがある人もいると思う。
「糞の紙」というと思わず触るのをためらうかもしれないが、
全然臭くない。
「糞」だと意識しなければ、ほんのり草木の香りがする凹凸がついた素朴な紙で、
一見チェンマイ特産のサー・ペーパー(これもいずれ紹介)に似ている。

糞を集める人
象キャンプへ行くと、時々糞を拾っている光景を目にする。
象が水浴びしたり、歩いたりしている時にボタボタッと糞をすると、
大きなカゴを持った人が来て片付けてくれる。
これはメーサー象キャンプの風景。
象キャンプ近くの川は「メーナム・キーチャーン」(象糞の川)と
地元の人に冗談で呼ばれることもあるとか!
下流の人に迷惑がかからないよう気をつけていると聞いたこともある。

ミキサーにかける
いったいその糞はどれだけの量になるのだろうか。
象は1日に200-250kgの食物を食べて、50kgほどの糞をするという。
ではその大量の糞をどうするかというと、
ランパーン象保護センターではバイオガスや有機肥料に使う他、
紙を作っている。
象の糞をよく見るとわかるが、そのほとんどが繊維だ。
緑がかった黄土色の塊からは藁のような繊維がたくさん出ている。
食べたものの50%以上が消化されずにそのまま排出されるというから、
その50kgの糞で約115枚もの紙ができるそうだ。

団子状のもの
作り方は、まずは集めてきた糞を水で洗い、5時間煮る。
漂白し、ミキサーで細かくしていく。
もし色をつけたければここで染料と混ぜる。
重さを計ってボール状にしておく。

水の中で分散させる
枠を水に沈め、そこにボール状の糞(繊維)を入れて均等に広げる。

均等にする
 日本の紙漉きと違って、前後にパンパンッと枠を振らずに、
ただじっくり静かに沈むのを待つ。

持ち上げる
それを静かにそっと持ち上げて、水気を切り、

天日に干す
天日で干す。晴れていれば半日?1日ほど。
あとは表面を平らにするために軽くやすりをかければできあがり。
しっかりしているので、
本の表紙や絵画の紙に利用してもいい。(1枚25B)

ランパーン象保護センター
【場所】チェンマイからランパーンへ向かい、70kmほど行った左側。
【電話】0-54-247871
【サイト】http://www.thailandelephant.org/index_2.html

投稿を作成しました 1996

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