3月中旬にカシューナッツの話を書いた。
カシューナッツに触ってかぶれた話だ。
あれから早いことにもう1ヶ月が経つ。
そろそろ食べ頃かと思い、心弾ませながらカシューナッツの木へと足を運んでみた。
木にはオレンジ色の洋ナシを萎ませたようなものがいっぱいなっていて、
甘ったるい匂いを放っていた。
その丸くシワシワの下には、カシューナッツを一回り大きくしたものが
ちょこんとついている。
以前来た時は未だ空豆色をしていたのに、もう茶色がかっている。
地面を見ると既に落ちたものがいっぱいころがっていた。
1つ拾ってかぶれないよう用心して触ってみた。
前回は軟らかかったものが、すでにカチカチになっている。
この中にあのカシューナッツが入っているのかと思うと、
いてもたってもいられなくなり、石を探した。
ちょうど手頃な大きさの石があったので、それで叩いてみた。
かなり固く、思いっきり叩かないと割れない。
しばらく叩いていると、ガシャっという音とともに、中から可愛らしいカシューナッツが出てきた。
予想通りなんだけど、初めての経験なので感動。
一緒にいたタイ人も最初は
「本当にこれカシューナッツの木なの?」
と半信半疑だったけど、中からナッツが顔を出すと顔をほころばせた。
2人で落ちているカシューナッツをかき集め、バイクの籠いっぱい拾った。
家に帰ってから、殻を割り、いくつかを煎ってみた。
口に入れるまでは正直言って半信半疑だった。
ほんのり焦げ色がつくまで煎り、口に放り込んだ。
カリッとした音とともに香ばしく、上品な味が広がる。
おいしい! 鷲掴みにして口に放り込みたいところだ。
だけど1つの殻に1個しか入っていない。
殻を割るのも量を集めるのも大変な作業。
物価が安いタイでどうしてカシューナッツの値段が高いか分かった気がする。