私のアパートの近くに大学病院があり、
そこの敷地内で「ラープ競争」があるというので覗いてきた。
ラープというのは、挽肉をハーブやスパイスと混ぜた料理。
普段でも食べるけど、「お金がいっぱい入りますように」という意味があり、
縁起ものなのでお正月や行事には出される。
ラープ競争だけどその他にも、北部の煮物や野菜ディップ、
パパイヤ・ソムタム(サラダ)なども一緒に作られた。
ラープは固まりの豚肉をまな板の上にのせ、
ナタのような大きな包丁2本を両手に持って、トントンと叩き、挽肉にしていく。
血も混ぜながら叩くので、まな板は生々しい赤色で染まり、ちょっとグロテスク。
これは労力を使うので、男性が中心に叩く。
挽肉になったものは内臓やスパイス、ハーブと混ぜられる。
なんとこのまま食べることもできる。
男性などは酒のつまみに生のラープを食べる。
女性はお腹を壊すとか回虫がわくといって、あまり食べないらしい。
私も以前食べたことがあるけど、スパイスがかなりきいているので生臭いということもなく、
色さえ気にならなければ食べられる。
回虫の問題は分からないけど。
今回は生ではなく、それを油で炒めてのプレゼンテーション。
見た目は少しグロだけど、炒めるといい香りが漂う。
待ちきれない人はもち米をまるめ、ラープの味見にと手を出す。
女性はソムタムを担当。
ソムタムと言っても、北部スタイルということで、干しえびや沢蟹は入れない。
ライムも入れず、変わりにタマリンドで酸味をつける。
砂糖はヤシ砂糖と黒糖を混ぜたものを使う。
ちょっとどろっとした感じに仕上がる。
こちらもいけるが、ライムのパンチがないのがちょっと物足りない。
おかずはどれもバナナの葉や野菜の彫刻で飾られ、どれも本当に美しい。
同じ料理でもビニール袋に入っているものと、
色彩りや飾り付けがあるものとではこうも違うのかなって改めて思った。