「束の間美術館・ソイサバーイ」という展示会が11日からバンコクで行われている。日本やフィンランド、タイなどから30人近いアーティストを招き、バンコクの何箇所かで作品を展示をしている。 友達が企画しているということもあり、バンコクに遊びに行こうと思いつつ、時間がとれなくて断念。その代わり、1日だけチェンマイでもワークショップをするというので、参加した。
最初に、「The Land」という場所を見に、郊外のサンパトーン郡へ行った。そこは田んぼの真ん中にあり、それぞれのアーティストが好きに作品(家)を作っているところだ。
そしてその後、市内のギャラリーで奈良美智さんのトークセッションがあった。作品は本やデパートで見たことがあったけど、話はとても興味深く、感動的で、奈良さんの作品を違った目で見るようになった。
このワークショップでひょんな人に出会った。「The Land」を去るときに、車で入れ違いにやって来た人だ。ちらっと見て、「あっ!」と思ったけど、声をかける暇がなかった。知っている人だと思ったけど、南の人だし、その人がチェンマイにいる可能性は少ないうえ、「The Land」という何もない田んぼのど真ん中で会うこと自体、不思議な気がした。だから、人違いかと思った。
そしたら、ギャラリーでも彼を見かけた。声をかけようと思ったけど、情けないことに名前をどうしても思い出せず、顔をじーっと見ていると、向こうも気付いたようで、声をかけてきた。やはり彼だった。
彼とは南のナコンシータマラート県で出会った。「ナンタルン」という影絵を作っているところを訪ねたときだ。そこでは観光客用に短いショーもしていたけど、私が「地元の人が見る本当のステージを見たい」と言ったら、師匠の息子が「じゃあ、連れて行ってあげるよ」と隣りの村まで連れて行ってくれたのだ。
その後、1度ナコンシータマラートのお祭りを取材しに行った時、お寺などを案内してもらった。それ以来だ。同い年だから、気軽に話せるけど、今回会った彼はすっかり貫禄がついていて、美術の教授というより、ひげを伸ばしているせいかボスという風貌。
彼以外にも、このワークショップで、友達の友達が友達の友達といったふうにつなっがているのを発見して、世の中狭いなと思った1日だった。