めでたいお正月ということで、豚をしめることになる。
自分で飼育している豚をしめる人もいれば、他の村から大きな豚を買ってきて、数軒でシェアすることもあるという。
豚は一息でしめたら、藁に火をつけて毛をあぶっていく。
そして、大きなナイフで削いで、お腹から解体。
生血はバケツに入れ、内臓や赤身、脂身と分けていく。
30年ほど前に、インドネシアのトラジャで水牛や豚の生贄を何十頭と見たことがあり、衝撃を受けたが、「文化」と思ってからはあまり驚かなくなった。
残酷といえばそれまでだけど、スーパーで買うのも同じこと。
こうやってすべての部位を余すことなく、皆でありがたくいただいているのが気持ちいい。
豚肉は揚げたり、油にしたり、スープやラープ(挽き肉料理)にする。
北部料理でもよく作るが、まずはラープ。
赤身の肉を包丁で細かく細かくし、生血を混ぜる。
そこにパクチーやシャロットなども混ぜていく。
ラフ族の調味料は基本、塩のみ。
あとはハーブやパクチーの種、揚げニンニクなどで味付けをする。
ラープは生でも食べられるが、油で炒めてもいい。
昼食はごはんとラープ(生と炒めたもの)、豚肉のスープ。
ラープはハーブの香りがきいていておいしい。
辛さも控えめで、パクパク食べてしまった。
夕飯に作ってくれたもので、感激したのが肉団子のスープ。
一度違うラフ族が作るのを見たことがあるが、何が面白いかというと、枝を入れること。
マゴークという背の高い木の枝を取ってきて、ゴボウの皮をむくように削いでいくのだ。
青マンゴーのような若い味で、渋味も苦味もない。
削ぐ様子の動画はこちらから。
混ぜる様子の動画は こちらから。
それを削って挽き肉と混ぜる。
生のパクチーの種、乾燥したパクチーの種、ニンニク、シャロット、ホムチュー(ネギのようなもの)、塩を入れて混ぜ、丸めてゆでるだけ。
ちょっとしょっぱいが、ハーブの香りがたまらない。
あまりにおいしくて全部食べたかったが、家族の分も残して3つだけにしておいた。