雨が降らないこの時期にシャン族(タイ・ヤイ)の得度式がある。
ミャンマーと国境を接するメーホンソン県に特にシャン族が多いので、
そこでは盛大なお祭りがあるのだ。
メーホンソン県に行きたいのはやまやまだけど、ちょっと都合がつかないので、
チェンマイ市内にあるシャン族のお寺、ワット・パーパオへ行ってきた。
このお祭りの見所はなんといっても少年たちの格好。
アイシャドー、口紅、ほお紅をつけてお化粧し、マニキュアを塗った指に
キラキラした指輪をはめる。
首にはじゃらじゃらとネックレスをつけ、頭にはカラフルな花がついた帽子をかぶる。
シャツとズボンは蛍光色で、レースの帯を巻き、手にはレースの扇子を持つ。
少年たちが着飾る様子を一目見ようと、まだ夜が明けないうちにお寺に到着。
それなのにもうみんな準備完了。まだ5時だ。
暗闇の中にきらびやかな少年たちが浮かんでいた。
少年たちは聖なる人とみなされるので、
このお祭りの間は地面に足をつくことは許されない。
トイレへ行くのも誰かが抱っこして行く。
いろいろな式に出席し、お寺を回る時は、父親が肩車をして移動させる。
すごい重労働だけど、親にとってこの祭りは名誉なことなので、喜々としている。
だけど遊び盛りの子ども達はヘロヘロ。
座りながら寝てしまう子もいた。
お祭りのごはんは12種類。
最初の7口は両親が食べさせてやらないといけない。
スプーンであーんしている親もいれば、手でもち米をまるめて食べさせている親もいた。
私も試食したかったけど、お寺の境内に出ている屋台で我慢。
そうはいっても、シャン族の料理が出ているのでこちらも魅力たっぷり。
案内してくれたお坊さんが“カオ・ソーイ・タイ”というものを注文してくれた。
どんぶりにきしめんを入れ、上からねっとりしたカスタードのようなものをかけて食べる。
お菓子かと思ったら、大豆からできていて、クセがなく、とてもさっぱりした味。
一緒に唐辛子味の高菜漬がどんぶりいっぱい出てきたけど、
すごく酸っぱく、しょっぱいのでこれと食べるとちょうどいい。
1日民族衣装と太鼓の音に囲まれてからアパートに帰ったら、
タイムマシーンでワープしたような気分になった。
自分たちの文化を守って生活している姿に憧れてしまうなあ。