タイには本屋が少ない。
あまり本を読む習慣がないのか、値段が高いのか理由は分からないけど、
ちょっと暇つぶしに本屋に入ろうということができない。
だからといって、資料を探しに図書館へ行ってもあまりない。
私の探し方が悪いのかもしれないけど、
いつもお目当ての資料を見つけることができない。
大学の図書館なんかだと広く、本の数も多いけど、
それでも満足のいくものがない。
あってもすごく古い。
いつのだろうと思うような色あせた本がずらっと並んでいる。
表紙は修復してあって、手書きでタイトルが書いてある。
物を大切に長く使うのはいいことだけど、そんな本ばかりだったりする。
本をコピーしたようなものも多く、字がぼやけているのもある。
いろいろな所で苦労が見られ、感心するんだけど、でも新しい本も読みたい。
それとも新刊は誰かが借りているのか。
そういえば教授や特定の人は数ヶ月借りていいと聞いたことがある。
それはさておき、今回はコピーのお話。
だいたい大学の近くにはコピー屋がずらりと並んでいて、
1枚0.45バーツ(約1.5円)でコピーができる。
ただ日本と違うのは、セルフサービスではなく、店の人がしてくれること。
1、2枚コピーする時は人に頼むのが面倒な気もするけど、
セルフサービスの所は見たことがない。
面白いのは、お客さんがいないのに、
店の人がいつも忙しくコピー機の前で手を動かしていることだ。
本を1ページめくってはコピーし、まためくってはコピーしている。
お客さんに頼まれて「20ページから30ページ」という具合に
コピーを頼まれたのだろうと最初は思っていた。
それが実はそんな小さな話ではなく、
本を丸ごと1冊コピーしているということを後で知った。
驚くけど、教科書や参考書を持ってきて本を丸ごとコピーをお願いする人がほとんど。
表紙の色紙も選べて製本までしてくれる。
わざわざそんなことをしなくて買えばいいのに…と思うかもしれない。
だけど、本によってはコピーをしたほうが安上がりになる。
そこが節約のポイント。
私も1度お願いしたことがある。
日本語の文法の本で、250ページぐらいあるものだ。
それを渡し、しばらくして戻ると、ちゃんと裏表に印刷がしてあり、
製本までされていた。
それで113バーツ(約340円)。
定価が約3000円で、タイで買うと約1.5倍の値段になる。
それがこんな格安でできてしまうなんてお見事!
利用しないわけにはいかない。
私の友達は6?7000円はする辞書を丸ごとコピーしていた。
サイズは用紙に合わせるので大きくなるから重いけど、
家で使うぶんには問題ない。
そう考えると図書館の本も実は悪くないのかもしれない。