いざキナバル山へ! 2日目

こんなところを登っていく
朝2時半、暗闇の中を出発。
夕べの雨が上がり、空は満点の星。
空気が頬に冷たく、階段が凍ってツルツルと滑べる。
懐中電灯だけを頼りに一歩一歩慎重に登っていくと、
今度は岩肌が出てきてそこをロープづたいに歩いていく。
右側はぱっくりと暗闇の大きな口を開けていて、遠くに町の光が見える。
見ていると吸い込まれていくようだ。
山小屋を出てからは木もなく岩肌のみ。
暗くて何も見えないのでひたすら足を動かすのみ。
昨日はペース良く登っていたのに、
なぜか今朝は体力がなく3歩進んではハーハーと休みたくなる。
空気が薄いせいだろうか。

キナバル山頂
頂上に5時前に到着。
風がビュービュー吹いて体中の汗が一気に冷えていく。
手頃な岩の間にうずくまり、ホカロンを靴の中、腰、手袋に入れるが、
寒くて寒くて辛い。
このまま日の出まであと1時間もじっとしていないといけないのだろうか。
うつらうつらと寝ていたら、周りが一瞬ざわめいた。
目を覚ますと辺りが明るくなっている。
日の出だ! 
立ち上がって見るが、手がかじかんで写真もよく撮れないし、
とにかく寒くて寒くて仕方がないので、さっさと下山したい!

キナバル山頂
山小屋までは幻想的な景色だった。
声に出せないぐらい心が感動していた。
どこまでも続く山々、そしてそれをつなぐように雲が絨毯のように敷かれている。
あれが天国か何かで誰かが導いてくれたら、
一緒に雲の上を伝ってあっちの世界に行ってもいい気分になってくる。

ウツボカズラ
山小屋まで戻り、あとはとにかく下る下る下る。
「99%登りの山」だけある。
最初は順調だったものの、途中から足が麻痺してきて、
どっちの足を出していいのか分からなくなる。
足を曲げることさえ難しい。
キナバル山のガイドはすごい。
これを週に何度かしているのだ。
それにポーター。
32キロのガスタンクや資材、食料などを毎日運んでいるのだ。
スターティングポイントに着いたのは11時前。
もうボロボロ。
そのまま宿に戻り、ステラとクレアに再会。
クレアの背中は水ぶくれで、ステラがアロエを塗っていた。
そしてその後、私の足をマッサージしてくれた。

投稿を作成しました 1996

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