おかえり、先祖さま!

南部のお盆がやってきた。
夜が明ける前から正装した人々がビントー(4段くらいの丸い弁当箱)を
持って寺に向かっていた。
中には手作りのカレーやおかずが入っていて、
僧に捧げた後、自分たちも食べる。

ビントーの他にもう1つ大事なものがある。
それは“ビン”という先祖に捧げるもので、
大きなお盆の上には親戚一同がのせたお菓子や果物が積んであり、
「カノム・ラー」(「タイの屋台図鑑」p142参照)で覆ってある。
カノム・ラーはこの行事に絶対に欠かせないお菓子だ。
さきイカのような細い線でできていて、クレープをふたまわり大きくしたようのもの。
上新粉と砂糖などを混ぜた生地をジョウロのようなものに入れ、
中華鍋に回し入れる。
食感は少しゴムをかじっているようで、味気ない。
決しておいしいとは言えないけど、大きいのでなんかワクワクするから不思議だ。

味はさておき、何より大切なのがこのお菓子の意味だ。
これは布を模していて、先祖があの世で衣服として使えるように供える。
だから大きかったわけだ!
ちなみに“ビン”は読経の後、寺の外に持っていき、
地面において先祖や様々な霊に捧げる。
だけど実際には子供たちが後ろで待っていて、お祈りが終わると、
お菓子や果物の奪い合いになる。
これを食べると幸福が訪れると信じられていて、
大人も一緒になっていろんなお菓子をもらう。

無事、先祖さまがやってきたので、話の続きは先祖を送り出す日までひと休み。
その間は他の県を周るので、その様子もお楽しみに。
まずは明日サムイ島を出て、バスで7時間かけてハットヤイ県へ出発。
中華もあるし、イスラム料理もたくさんある。楽しみだ。

投稿を作成しました 1996

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