昨晩はすごい雨とカミナリだったけど、朝になると晴れ間がさしていた。
どうしても棚田を見たくて、また昨日の道を一人で歩いていくことにした。
感覚で適当にテクテク行くと、目の前に棚田の雄大な景色が広がった。
これだ、私が見たかったもの。
白い霧のベールの向こうにはこんな絶景が広がっていたのだ。
鳥肌が立ってくる。
地球の息吹が聞こえてくるようだ。
厳かな気持ちになってくる。
自然の偉大さ、自分のちっぽけさ、
そして人間が自然に生かされていること、
そんな当たり前のことに気づく。
歩いていたら、昨日一緒に話した黒モン族の少女たちに会った。
「マリ、こんにちは」
ちゃんと私の名前を覚えている。
「これ買ってよ」「何歳?」「兄弟は?」「どこから来たの?」
と話しつつ、昨日は一緒に歩いた。
上の写真のずっと先まで一緒に行き、家があるのかそこで別れた。
そして今日もそこから登って来たという。
彼女たちはこれからトレッキングで降りてくる外国人観光客にお土産を売るそうだ。
毎日毎日、この険しい坂を登って、下りているのかと想像しただけで気が遠くなる。
子供の頃からこれだけ歩いていれば、足腰が強くなるだろう。
昨日と違って自分のペースでゆっくり歩き、満足感と幸福感に満ちた。
帰りは地元の人にバイクでサパの町まで送ってもらった。
その足で市場を散策。
いろいろな民族の人がそれぞれの衣装に身を包んで買い物をしている。
繊細な刺繍を施すザオ族のおばちゃん。
チェンマイでいうヤオ族だろうか。
とにかく刺繍が美しくてうっとりする。
市場で食べているおばちゃん。
隣りに座って、ごはんを注文すると、
「これ買わない?」
金歯を見せてにっと笑い、イヤリングを見せる。
「そんな大きいの重いよ」
「小さいのもあるよ」
と、いろいろ見せるが、
どう見ても彼女がつけているものとは月とすっぽんの差がある。
犬の肉らしきものを発見。
ベトナム人や山岳民族によっては食用にするそうだ。
犬の鳴き声がベトナム語の「金」という音に似ていて縁起が良いから、
月末になると食べるとガイドさんが教えてくれた。(ほんとかな?)
文化・習慣なので否定しないが、
どうりで歩いていて1度も犬に吠えられなかったと納得。