お菓子の御輿(みこし)

お祭りは盛大なパレードで始まった。
鼓笛隊や民族衣装をまとった人たちの行進に続き、
お菓子で飾られたたくさんの御輿が列を作った。祭りの目玉だ。

この時期15日間だけ先祖が閻魔大王のもとから自由になり
この世に戻ってくると考えられているが、
明日が地獄に帰らないといけない日になっている。
その時に手土産を持たせてあげるのが、この御輿のお菓子で、
5種類のお菓子を用意しないといけないことになっている。
9月の日記で「カノム・ラー」と「カノム・カイプラー」の2つのお菓子を紹介したので、
今回は残りの3つを紹介。

1つはドーナッツのような形をしているもので、あの世で使うお金を意味している。
もう1つは丸やひし形の“おこし”で、いかだを意味し、
地獄に戻る途中にある海を渡る時に使うとされている。
3つ目はおせんべいのように平たいもので、タイ正月で遊ぶゲームを現している。
これらのお菓子や花で御輿を飾るけど、中には米や塩、唐辛子、マッチ、石鹸、
薬など先祖があの世で使えそうな物が入っている(実際には僧に捧げて、僧が使う)。
お菓子のお御輿なんてヘンゼルとグレーテルのお菓子の家みたいで魅力的だけど、
全部揚げ菓子なので色は茶色、味は粉と砂糖を練っただけの素朴な味。
それでもお菓子と聞くだけでワクワクするし、
なによりタイ人の飾り付けの器用さに惚れ惚れする。
これなら先祖様も満足しているだろうな。
先祖様、行ってらっしゃい! また来年会いましょう!

投稿を作成しました 1996

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