私の大好物の春雨サラダをまた作った。でも今回はちょっと作り方を変えてみた。
いつもは春雨やきのこ、ひき肉を全部ゆでてから、人参やトマト、香菜を混ぜ、砂糖、レモン、ナムプラーで味付けをする。だけど今回は、茹でずに炒めてみた。友達が確かこうやって作っていたなあ……、とつたない記憶をたどりながら。
まず、油は入れずに、熱したフライパンでひき肉を炒める。そしてきのこと水に戻した春雨、水を少し入れ、炒める。後は同じで、粗熱をとった後に人参や香菜を入れて味付けするだけ。
さて見栄えはというと、後者のほうが炒めた分、鍋底についた肉の焦げなんかで色が茶色っぽい。お味は、両方とも油は加えていないけど、炒めたほうがしっかりしている。肉汁を吸い込み、コクが出ているせいだろう。味もまとまっている。茹でたほうは、肉の脂を落としているので、全体的にさっぱり。その分レモンの酸味が引き立ち、ハッキリした味。個性があり、それぞれおいしいと思う。
「今日の春雨サラダはちょっと違うけど分かる?」
とだめもとで家族に聞いてみた。案の定、母は首をかしげて苦笑い。
「作ってもらえたらそれだけでおいしいから」
なんて言って逃げた。違いが分からないらしい。でも、舌がとてもよく、うちの「栗田ゆう子」(「美味しんぼ」の主役)と言われている姉はこう言った。
「やっぱり? 違うよね」
心が騒ぐ。(そうでしょ、美味しいでしょ?)と誉め言葉を期待していたら、
「今日のは肉っぽい」
どうやら肉の味がしっかりして、レモンのきりっとした味がなく、
「私はいつものほうが好きだな」
と。なるほど。好みが分かれるところかも。肉好きとさっぱり好きと。